お仏壇の中の物語その2/広島 仏壇 修理 音羽屋
こんにちは。
広島でお仏壇の修理を専門にしている音羽屋の山縣です。
当店は、お仏壇という家の中の大切な場所を繋いでいくことで、その「家ならでは」の想いが伝わっていくことを大切にしています。
この「職人の日記」では、掃除・洗浄・修復・塗替え・移動・保管・御処分・配置・向きのことなど、お仏壇のことで皆様のお役に立てれば嬉しいです!!
ということで・・・
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寒い日が続きますねー
ということで、雪にまつわるお話をひとつ。
お仏壇の中には、細工で物語を現わしているものがあります。
以前に記載した「嫁姑と蓮如上人」のお話はコチラ
こちらの写真は、浄土真宗の開祖であられる親鸞聖人の物語を描いています。
「石枕」(いしまくら)と言われ、有名なお話になります。
どんな人にでも信じるという心はある。
という物語になります。
簡単に解説すると
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常陸の国(茨城県)に流罪になった、日野左衛門尉頼秋という方がいました。
左衛門は、もともと人間不信の性格でしたが、流罪になってからは、「信じられるのはお金しかない!」とうそぶくようになっていたそうです。
そんな折、布教途中の親鸞聖人一行に一夜の宿を求められましたが、その日機嫌の悪かった左衛門は無下に断ってしまいました。
外は雪、聖人は門前の石を枕にして横になっていましたが、吹雪となってきました。
「 寒くとも たもとに入れよ 西の風 弥陀の国より 吹くと思えば 」
と気遣う弟子に仰ったそうです。
その夜、左衛門は夢枕で守り本尊からお告げがありました。
驚いた左衛門は、聖人らを屋敷に向かえ入れ平身低頭無礼を詫びて、これまでの悪行をすべて告白しました。
親鸞聖人は、
「私たちは悪いことばかりしています。人を憎み呪いもします。
だが、汚れきった心であっても信じる心だけは誰にでもあるもの。
その心こそが永遠にかがやく仏の光なのです。」
と御仏のご慈悲をお話されたそうです。
大慈大悲の阿弥陀仏の本願を知らされた左衛門はその夜のうちに親鸞聖人のお弟子となり、法名を入西房道円と名付けていただきました。
その後道円さんは念仏道場を開き、石を枕に念仏する親鸞の姿を重ねそこを枕石寺(ちんせきじ)と名付け、今現在も茨城県に現存しています。
・悪いと言われることをした人
・悪いことをせざるおえない環境にある人
・あの人は悪い人だと言ってしまう人
僕も人の事を見て、自分と比べて良い悪いを判断する癖があります。
そんな誰にでも信じる心があり、その心こそが一番「尊い」というお話ですね。
「相手を信じる心」を仏様やご先祖様を通して大切にしていきたいです。
お仏壇にはこのように仏様にまつわる物語やご宗派のお話、ご先祖の想いが沢山つまっています。
ご先祖様から伝わっているその家ならではのお話しの中に大きな学びがありそうですね。
音羽屋では、お仏壇を通してそういったお話しが伝わっていくように、これからも「ご先祖様の想いにふれる」お手伝いをしていきたいと思います。
本日は、長くなりました。
お読みいただき、ありがとうございました。