亡き夫と娘に出会う/広島 仏壇 修理 音羽屋
こんにちは。
広島でお仏壇の修理を専門にしている音羽屋の山縣です。
当店は、お仏壇という家の中の大切な場所を繋いでいくことで、その「家ならでは」の想いが伝わっていくことを使命にしています。
この「職人の日記」では、掃除・洗浄・修復・塗替え・移動・保管・御処分・配置・向きのことなど、お仏壇のことで皆様のお役に立てれば嬉しいです!!
ということで・・・
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本日は修理のご相談でご連絡を頂きました。
扉の金具が劣化して、本体から外れてしまったようです。
義理のお母様がお亡くなりになられ、四十九日を前に修理しておこうという事でご連絡くださったそうです。
義理のお母様は、広島の母子会の会長さんをやられた御方との事。
「義母は早くに夫を亡くし、女手ひとつで子どもたちを育ててきたひと。当時、43才だったそうです。」
今の僕の年齢と一緒です。
「母子会の事務局などを歴任して、一生懸命に仕事をしていたと聞きました。
ずっと泣いている時期もあったけど、仏壇に手を合わせては、気持ちを入れ替えて頑張っていたと・・・」
お仏壇にはお参りのお線香とロウソクの煤がのこっています。
「二人の子どもも無事に成人したのですが、主人の姉はその後、若くして亡くなりました。
夫と娘を亡くした義母はどんなに辛かったことか。」
「昨年末に病気をして、87歳ということもあり手術をするのを諦めました。
年末のある日、私の主人が見舞いに行くと・・・
点滴だけでやせ細った義母の目がパッと開いて、ニッコリと笑ったそうなんです。」
返ってきた主人は、
「先にいった、父さんと姉さんに会えたんだよきっと。よかった。もうすぐかもね。」と言いました。
その二日後にお亡くなりになられたそうです。
そのお義母様がずっとお参りをしておられたお仏壇。
「義母のあとは、私が仏様の世話をしてあげないとね。」
とお気持ちを教えてくださいました。
仏様と繋がる大切な場所。
お仏壇を前に故人の後ろ姿に想いを馳せることで、様々なことが伝わってきます。
お仏壇を引き継ぐという事は、ご先祖様の生き方も繋がっていくという事になります。
これから先にもそのご信心が伝わり、御浄土から見守ってくださっているお義母様にも喜んで頂けるように丹精込めて修復致します。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。