日々の出来事
日々の作業や出来事を、出来るだけ毎日綴ってます…。
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職人の日記 2022.02.24
こんにちは。
広島でお仏壇の修理を専門にしている音羽屋の山縣です。
当店は、お仏壇という家の中の大切な場所を繋いでいくことで、その「家ならでは」の想いが伝わっていくことを使命にしています。
掃除・洗浄・修復・塗替え・移動・保管・御処分・配置・向きのことなど、お仏壇のことで皆様のお役に立てれば嬉しいです!!
ということで・・・
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本日は、お仏壇の中の電気のお話になります。
お仏壇上部には、灯篭というお仏具が吊り下がっていて、中には電球が入っています。
この白熱電球ですが、お仏壇をご購入されて30年以上経っている場合はご注意ください。
お参りの時だけ少しの時間しか電気をつけなくても、灯籠の部品(ソケットや配線コードなど)は経年で劣化していきます。
実は、今回お預かりした灯篭の電球のソケットを外すと・・・
真っ黒になっていました!!
手前が通常のソケットの銀色です。奥のソケットが焦げているのが見えるでしょうか。
黒くなる原因としては、
・灯篭の規定以上のワット数の電球をつけた場合、必要以上の熱を持ち黒くなります。
・電球の口金のサイズとソケットのサイズが合っていない場合も黒くなります。
このような場合は、加熱状態になり、電球とソケットの接触部分が黒くなる現象が起こりやすくなるので、ご注意ください。
この黒い部分は、「炭化」している状態です。つまり、BBQの「炭」のようになっていて、いつ燃えてもおかしくない状態なので危険です!
そして、上のような電気ロウソクを置いておられる方も多いと思います。
この電球部分も熱くなるので、ご注意ください。
たまたま、電球部分が「打敷(うちしき)」という繊維製のお仏具のそばにあり、ずっと当たっている状態ですと、繊維が焦げてくることもあります。
実際にこちらの打敷の裏側をみるとこのような焦げ跡がありました。
※分かりやすいように電球を並べてみました。
また、電源のコンセントをプラグに何十年も差し込みぱなしの場合も危険なんです。
このお話は以前にも書かせてもらいました。
お仏壇のコンセントとプラグの間で起こる火災原因のお話
このようにお仏壇の電気は、見落としがちですが、危険な部分もございます。
従来の白熱電球の場合は…
・時間が経過すると熱くなる
・電球で火傷や繊維製の仏具が焦げる
など、危険があることから、LED配線にさせてもらうことが多いです。
この配線は、アダプターで電圧を下げて使用します。
その為、熱を発しにくく、電球の寿命も長いので球切れしにくいです。
ほとんどのお仏壇用の灯籠にそのまま使えるので、お仏具を買い替えしなくても、LEDの配線の交換だけで大丈夫です。
音羽屋では、LEDの配線交換を16,500円(税込、出張費別)で承っております。
古い電気が気になるな~という場合は、お気軽にご相談ください。
家の中でも大切な場所であるお仏壇、より安全に末永くお参り頂けると嬉しいです。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。 -
ありがたいお話 2022.02.23
こんにちは。
広島でお仏壇の修理を専門にしている音羽屋の山縣です。
当店は、お仏壇という家の中の大切な場所を繋いでいくことで、その「家ならでは」の想いが伝わっていくことを使命にしています。
掃除・洗浄・修復・塗替え・移動・保管・御処分・配置・向きのことなど、お仏壇のことで皆様のお役に立てれば嬉しいです!!
ということで・・・
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本日は、修復のご依頼を頂いたお仏壇をお預かりさせてもらいました。
金具の劣化がすすみ、扉がちゃんと閉まらない状態になっています。
また、塗装も剥がれかけており、錺金具も黒く変色しています。
「義理の母が九州から広島に来るときに一緒に持って来たお仏壇なんですよ。ここに来るまでにも何度か引越しをして、色んな場所が傷んでしまったようです。」
と、お義母様のお写真を見ながら教えてくださいました。
早くにお父様を亡くし、女手ひとつで子育てをしてこられたというお義母様。
そのお父様のために今回のお仏壇をお買い求めされたそうです。
「義父の50回忌も終え、落ち着いたころに主人がお仏壇を買い替えようか、と話をしてきましたね。私は反対をしたんですよ。」
お客様のご主人様は大きなお仏壇に買い替えたいと思っておられたそうです。
「義母がずっと大切にしてきたお仏壇。そして、50年間、我が家を見守って来てくださった仏様。だからこそ、このお仏壇を繋いでおきたくてね~」
そして、今年、ご主人様の一周忌法要にあわせてお仏壇を修復しておこうというお話になったそうです。
「お仏壇はご先祖様からの贈り物だと思っています。ご先祖さんがいないと私たちもいない。こうやって、義母が繋いでくれたお仏壇を今度は私が息子たちへ繋いでいかないといけないと思うんですよ。」
と大切なお仏壇への想いを教えてくださいました。
また、ご同席くださったご子息様も
「コンパクトなお仏壇でよかったです。この大きさなら僕たちも引き継ぎやすく、次の代へと伝えていけます。うちのおばあさんは、先見の明があったんですしょうね~」
確かに最近は、住環境の変化からコンパクトなお仏壇の需要が増えています。引き継いでいきやすい大きさという事も重要ですね。
【お仏壇はご先祖様からの贈り物】
とっても素敵な言葉ですね。
この言葉を耳にした瞬間にたしかに!と感動しました。
お客様は最後にこう仰っておられました。
「いつもいつも思っているわけではないんですよ。ご先祖さんがいたから自分たちがいる。当たり前のことですが、お参りをする時に感じるんです。そのたびに義母へ話しかけるんです。ありがとうございますね。って」
そんな当たり前だけど大切なことに気付くことが出来る場所。
その場所こそが、ご先祖様からの贈り物。ですね。
この度は、ご依頼を頂き、大切な気づきを教えて頂き、誠にありがとうございました。
また、本日もお読みいただき、ありがとうございました。 -
職人の日記 2022.02.22
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職人の日記 2022.02.21
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職人の日記 2022.02.20
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職人の日記 2022.02.19
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職人の日記 2022.02.18
こんにちは。
広島でお仏壇の修理を専門にしている音羽屋の山縣です。
当店は、お仏壇という家の中の大切な場所を繋いでいくことで、その「家ならでは」の想いが伝わっていくことを使命にしています。
この「職人の日記」では、掃除・洗浄・修復・塗替え・移動・保管・御処分・配置・向きのことなど、お仏壇のことで皆様のお役に立てれば嬉しいです!!
ということで・・・
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本日はお客様から、
「百箇日までにお仏壇を少しだけでも綺麗にしておきたいんです。」
とご相談がありお伺いをさせてもらいました。
「百箇日」とは故人様がご逝去されてから100日目を指します。
四十九日の忌明け後に初めて執りおこなう法要のことを「百箇日法要」と言います。
また、出苦忌(しゅっくき)や卒哭忌(そっこくき)と呼ばれることもあり、「卒」は「卒業」、「哭」は「声を出しながら涙を流す」状態を指しています。
その意味合いからも、百箇日法要は
「大切な人を失った悲しみや苦しみに別れを告げて、前に進む」
ための大切な儀式と捉えられます。
ご葬儀社様によると、現代では、四十九日の法要とは異なり、百箇日法要が省略されることは珍しくないそうです。
「母が亡くなる直前に、仏壇をきれいにしときたいね~と、言っていたんです。その時は、何言ってるの縁起でもない!と思っていました。」
「昨年に母が亡くなり、お寺さんに来て頂く時に仏壇をどうしよう!?と慌てました。
掃除も整理も出来ていなかったので、仏間の扉を閉めておいたんですね。
そうしたら、お寺さんから、お仏壇はどちらですか?と扉をあけられてしまいまして・・・
あーこんなことなら母が綺麗にしたいと言ってた時にしておけばよかったと心残りに感じたんです。」
そこで、百箇日までに出来るだけでも綺麗にしておきたい。見た目をよくできる方法があればというご相談内容でした。
お話をお聞きすると、お仏壇自体はこれから先に引き継いでいくというのは難しいご様子でした。
ご予算も教えて頂きましたので、見栄え良くなるために手を加えるポイントをお伝えさせてもらい、ご依頼を頂きました。
「この香炉の錆もとれますか?母が気にしていたので。」
と香炉に出ている緑青錆の除去もさせてもらう事になりました。
「これで、母が喜んでくれてると思います。寂しいですが、母のお蔭でお仏壇に目を向けることが出来ました。こちらの要望も聞いてもらって安心しました。」
と仰って頂き、少しでもお客様のお悩みに対応できる提案が出来てよかったです。この度は、ご依頼を頂き誠にありがとうございました。
音羽屋では、全体の修復だけではなく、お客様それぞれのご状況やご予算に合わせて
【お仏壇が整って見えるポイント】
をお伝えしながらご提案をさせてもらっております。
四十九日や百箇日という法要は、故人と残された人たちがともに幸せな道を歩むための大切な儀式とも言えます。
その儀式を通して、仏様、ご先祖様と繋がっていくんですね。
本と繋がる場所であるお仏壇を整えさせてもらうことで、節目を気持ちよくお迎えいただくお手伝いになれば幸いです。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。 -
職人の日記 2022.02.17
こんにちは。
広島でお仏壇の修理を専門にしている音羽屋の山縣です。
当店は、お仏壇という家の中の大切な場所を繋いでいくことで、その「家ならでは」の想いが伝わっていくことを使命にしています。
この「職人の日記」では、掃除・洗浄・修復・塗替え・移動・保管・御処分・配置・向きのことなど、お仏壇のことで皆様のお役に立てれば嬉しいです!!
ということで・・・
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本日はお仏壇じまい(御処分)にお伺いをさせてもらいました。
お住まいと土地を売却された後でのご依頼でした。
「実は、神棚もあるので終って(しまって)頂けないでしょうか?」
音羽屋ではお仏壇じまいだけではなく、神棚じまい(御処分)も承っております。
ご縁あって信心して頂いたのですが、事情があり離れていくこともございます。
お預かりさせて頂いたお仏壇や神棚は、当社にてお世話になっている御住職様にご供養をして頂きます。
・役割を終えたこと
・これまでの感謝
をご供養の際にはお伝えをさせてもらっております。
お仏壇じまいのお参りの様子
「諸行無常」
世のすべてのものは、移り変わり、また生まれては消滅する運命を繰り返し、永遠に変わらないものはないということ。
お参りの場所も同じくですね。
「実家のお仏壇、どうしたらいいだろう?」
「お寺さんに来て頂くのが難しい・・・」
など、最後の終い方でお困りの場合は御気軽にご相談ください。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。 -
職人の日記 2022.02.16
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ありがたいお話 2022.02.15
こんにちは。
広島でお仏壇の修理を専門にしている音羽屋の山縣です。
当店は、お仏壇という家の中の大切な場所を繋いでいくことで、その「家ならでは」の想いが伝わっていくことを使命にしています。
この「職人の日記」では、掃除・洗浄・修復・塗替え・移動・保管・御処分・配置・向きのことなど、お仏壇のことで皆様のお役に立てれば嬉しいです!!
ということで・・・
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本日2月15日は、お釈迦様がお亡くなりになられた日になります。
日本の各宗派の仏教寺院では「涅槃会(ねはんえ)」と呼んでいます。
「涅槃会」とは「仏教の教えを説いたお釈迦様がお亡くなりになられた日の法要」になります。
そして、偶然にも代表 山縣の誕生日でもあります。
お蔭様で、43歳になりました。
母親に聞くと、難産で15日の夜中1時15分に産んでくれたとの事。バレンタインデーではなく、涅槃会まで辛抱してくれた母親に感謝しております。その節はありがとうございました。
そんな、涅槃会の日に届いた真言宗の御住職様のメルマガが以下のような文面でした。
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2022/02/15/4481【励めよ】
お釈迦さまの入滅の日。
お釈迦さまが生涯を通じて、弟子たちに伝えたかったこと……
それは「励みなさい」ということでした。
人に後押しされることなく、自らが発心してとにかく励む。
それが精進ということです。合掌拝
◎みほとけ画「今日のことば」
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メルマガの発信者は、天野高雄(あまのこうゆう)先生。
岡山県倉敷市にある高野山真言宗「医王山 持明院 高蔵寺」さんの御住職様になられます。
御法話の中の例え話しやエピソードが分かりやすく、とても面白いので、ポッドキャストやYouTubeで勉強させてもらっています。
「高蔵寺」さんのホームページ
天野高雄先生は、画家であり造形作家というアーティストとしてもご活躍しておられます。
そんな天野先生のお話が高野山真言宗の「公式」YouTubeチャンネルにございましたので、こちらでシェアさせてもらいました。
内容は、天野先生とそのお母様とのお話でした。見ていてグッとこみ上げるものがありました。
今日、僕の誕生日、朝一番に連絡があったのは母親でした。
「生まれてきてくれてありがとう。体調に気を付けて。」
いつまでも母親として、離れていても気にかけてくれている。
本当に感謝しかありません。
逆にまだまだ心配をかけているようです。
こちらから母へ電話をして御礼を言わないといけないのに恥ずかしい限りです。
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天野先生以外にも沢山の貴重な法話がコチラからお聞きいただけます。
【公式】高野山の法話
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何はともあれ、天野先生のメルマガにありました・・・
「人に後押しされることなく、自らが発心してとにかく励む。」
お仏壇をさわらせて頂く仕事をさせてもらい、涅槃会に産んでいただいた身として、まだまだ「励み」、精進していきます。
まだまだ若輩であります。
引き続き、ご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
本日もお読みいただき、ありがとうございました! -
職人の日記 2022.02.14
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職人の日記 2022.02.11
こんにちは。
広島でお仏壇の修理を専門にしている音羽屋の山縣です。
当店は、お仏壇という家の中の大切な場所を繋いでいくことで、その「家ならでは」の想いが伝わっていくことを使命にしています。
この「職人の日記」では、掃除・洗浄・修復・塗替え・移動・保管・御処分・配置・向きのことなど、お仏壇のことで皆様のお役に立てれば嬉しいです!!
ということで・・・
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本日は、
【組立&分解】で、直して引き継ぐものとしてのお仏壇
というお話です。
仕上がったお仏壇の部品を組み立てています。
お仏壇は、下の枠から徐々に重ねていくことで、本体が作られています。
地方によって、仏壇の組方に少し違いがあることもあります。
いよいよ、上の欄間まで組み上がってきました。
一番上の部分がないので、天井部分がスカスカです。
本体が完成しました!
ここから、扉を吊りこんで、仕上りです。
【お仏壇は分解して補修ができることを前提に組立式で作られています。】
家の中には、家具や家電など様々なモノがあります。
しかし、同じものを直して代々と引き継いでいくものは数少ないです。
また、その家自体が続いていくことも重要です。
命の繋がりがあり、モノの繋がりがある。
大切な繋がりを繋いでいくというこの修復業、これからも丹精込めて作業をしていきたいと思います。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
さて、扉を仕上げていきたいと思います!