日々の出来事
日々の作業や出来事を、出来るだけ毎日綴ってます…。
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職人の日記 2021.04.28
こちらは、香炉と呼ばれるお仏具になります。香炉、灯立、花立という具足(ぐそく)は、全てのお仏壇において香・ロウソク・お花を供えするのに使用する仏具になります。
灯立や花立は一対になっていて、同じ形のものが二つあることがほとんどなのですが、本日のお客様では違っていました。
灯立をよくみると全く違う形なんです。
お花立も左右で異なった形です。
お客様にお聞きすると…
「供出で片方はもっていかれてねー」
「そうですか。他のお客様でもよくお聞きします。」
「これらは、片方を隠しとったけぇ、残っとるんよ。」
「輪灯を持って行かれた方が多いですね。お寺でも梵鐘を持って行かれたとか」
「戦争はイケんね・・・」
太平洋戦争において、戦局の激化と物資の不足を補うため、所有している金属類回収を行うという「金属類回収令」という勅令があったそうです。真鍮で出来ている重たい仏具は、供出という形で当時の政府に差しだしていました。
持って行かれた方々は、仏様のお道具をなんとか戻してあげたいと長年にわたって願い続けておられる方が多いです。
そして、修復を機会にお買い求めになられたり、今回のように左右の形は違っても修理をしてお使いいただいたりしてくださっています。
様々な事を仏様・ご先祖様と一緒に過ごしてきて、今があるということを改めて教えて頂きました。
大変な時代を越えて、生かせてもらっている今がある。大切に生きないといけないですね!
この度は、沢山のことを学び気づかせて頂き、本当ににありがとうございました。 -
職人の日記 2021.04.27
本日は晴天の中、北広島町へお見積りに行ってきました。
お客様のお住まいのお庭には、とっても大きな鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでいましたよ~~
一番上の吹き流しは凡そ10mはあるそうですよ!!
この地域は風が強く、お昼以降にはさらに強くなるので、お昼になると鯉のぼりを降ろしておられるそうです。あまりに強すぎて最先端の矢車もボキッと折れて飛んでいったこともあるとか!泳いでいる姿を見られてよかったです。
「むかしは沢山の鯉のぼりが風に泳いどったけど、今ではうちだけになってねー」
「そうですかーもっと多くの鯉のぼりが泳いで欲しいですねー」
「ほうよ!子供の成長を願う大事な行事じゃけーねー」
としばらくお庭でお話を聞かせて頂き、お住まいに入らせて頂くと、とても古いお仏壇をお祀り頂いておりました。
遠い御先祖様から、代々と引き継いで頂いているそうで、この度はお父様の回忌法要を前に修復をしようというご家族でのお話になったそうです。
お花の水による湿気で中段の塗りが剥がれていたり、扉も勝手に開いてくる状態でした。
修復方法のご説明と、ご予算についてもご相談させてもらい、その場でご依頼を頂く事になりました。ご依頼を頂き、誠にありがとうございます。
鯉のぼりに込めた想いのように、手を合わせる尊さを次世代へと繋いでいきたいという、御先祖様のお気持ちを美しい姿でよみがえらせられるように頑張ります!
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職人の日記 2021.04.26
本日は洗浄修復の仕上がった部品を組んでいます。本体内部の組み上げまで出来ました。
これから欄間を組んで、扉を吊っていきます。
欄間も金箔を押し直してあるので、綺麗に輝いています。
大戸の錺金具も純金メッキしてあるので、眩しいですね。
明日には完成予定です!
お仏壇が組み立てられていく動画はコチラから -
職人の日記 2021.04.24
今回はお住いの建替えに伴い、お仏壇の洗浄修復のご依頼を頂きました。
お仏壇は、沢山のお参りをして頂いたお蔭でとてもくすんでいる状態です。お話をお聞きするとおばあさまがとても信心の深い御方であったそうです。
工房に持ち帰って、分解しての洗浄作業で綺麗になりました。そして、先日、新しく建て替わったお住まいへお納めをさせてもらいました。
艶もよみがえり、美しい姿になりました。
「新品みたいですね!ばあちゃんもじいちゃんも喜んでくれてますねー」とお客様から大変うれしいお声を頂き、感激です。
そして、おじいさまのご命日が近いということでお仏壇の前に遺影を飾らせてもらう事になりました。
※お写真は掲載の許可を頂いております。
おお!
なんという満面の笑顔!!!
「ステキな笑顔ですねー」
「そうでしょー!実はこの写真、じいちゃんが一番好きな場所で撮影したらしいんですよー」
「そうなんですね。結婚式の時ですか?」
「いえいえ!・・・夜のナイトクラブです。アハハ!!」
「えーー!それで満面の笑みなんですねーーー」
「まわりには沢山の女性がいたそうですよ。アハハ!!」
間違いなく、仕事をさせてもらった中で今までで一番の笑顔の遺影写真です。
おじいさまの笑顔も見られて、きっとおばあさまも喜んでおられることでしょうね。
ご先祖様の笑顔に繋がるお仕事が出来て光栄です。この度は、ご依頼を頂き本当にありがとうございました。 -
職人の日記 2021.04.17
この度は、お仏壇をご親戚のいらっしゃる岡山県へ移動して欲しいということで、修復を含めてご依頼を頂きました。
丁番に錆が出ている状態でしたので、分解しして金具の交換とお仏壇本体の洗浄をさせてもらいました。
そして、綺麗になったお仏壇を積んで岡山県へ移動!
ご親戚のお宅のお二階へ設置をさせてもらいました。
艶もよみがえり、ご親戚の皆様からも「ピカピカになって新品が来たみたいじゃ」と大変喜んでいただきました。仏様も御先祖様も喜んでいただいていると嬉しいですね。
ご依頼を頂き、本当にありがとうございました!
そして、帰りには岡山県のうどんの名店「名玄」さんへ!!
こちらは、「セルフ式うどん店」を日本で最初に始めたお店なんだそうですよ。
お店に入るとすぐにうどんを自分で湯がくというスタイル!!
もちろん、とっても美味しかったです!!
岡山県へ行かれることがあれば是非とも行ってみてくださいね~~
岡山のセルフうどん発祥の店「名玄」さんはコチラ -
職人の日記 2021.03.23
お仏壇の中の側面の金箔が剥がれてしまっています。
これはテープを貼って、剥がした時に一緒に金箔が剥がれてしまった跡です。
実は、今回はお引越し屋さんからご依頼でした。
どうやら、お仏壇の移動の際に吊下げてある仏具をまとめてそのままテープで貼り付けてしまったようです。
金箔はテープなどを貼ると簡単に剥がれてしまいます。
そこで、今回は東広島からお仏壇をお預かりして、工房にて金箔を補修させてもらいました。
↓↓↓
もとの金箔となじませることで、なんとか跡が分からなくなるまでになりました。
これで、お客様も安心してご先祖様と仏様に手を合わせる事が出来ますね!
お仏壇の移動は簡単そうですが、ちょっと扱いを間違えると、この様に補修が必要な事態になってしまうことがあります。
音羽屋ではお仏壇の移動も承っておりますので、お気軽にご相談下さい。
私たちは、これからもいつもどこでもご先祖様と一緒に過ごせる、手を合わせる文化を伝えていきます!! -
職人の日記 2021.03.16
音羽屋では、今後の技術&サービス向上のため、お仏壇の修復をさせて頂いたお客様へ後日、アンケートのご協力をお願いしております。
アンケートは強制ではなく、こちらがお送りしたハガキにご記入いただき、投函して頂くというお手間をお掛けする形になっております。
お返事くださるお客様からのお言葉のお蔭で、いつもこのお仕事をさせてもらってよかったと思わせて頂いております。心より感謝申し上げます。
これまでに頂いた宝物のアンケートはこちらから
そんな中、本日もとっても嬉しいアンケート葉書が返ってきました。
お名前公表の許可を頂いておりますので、そのまま掲載いたします。
文章の下には、朱の筆で「感謝」の文字!!
めちゃめちゃ感動しました~
本当にありがとうございます!!!
これからもお客様にお喜びいただき、御先祖様にもお喜びいただき、お客様の本に繋がっていくお手伝いができるように精進していきます。
今後とも何卒、よろしくお願いいたします!
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職人の日記 2021.03.08
先日、大竹市にて修復の仕上がったお仏壇をお納めさせてもらいました。
金箔部分は押し直しをして、金具も金メッキ再生してあるのでとても美しく輝いています。
下台の漆部分もうつり込むほどに艶がよみがえっています。
「おじいさんが大事にしとったお仏壇がきれいになって、よかったねー」とお客様も大変お喜びくださり、とても嬉しいです。
そして、珍しものを見せてくださいました。
これは、農作業などの時に被る「たけ笠」と呼ばれる頭にかぶる道具。一般的には、竹でつくられた「たけ笠」よりも菅(すげ)でつくられた「すげ笠」が多いそうです。
これらの笠が昔から使われる理由としては、
・軽量で風通しが良い
・水に強くお手入れ簡単
という優れモノだからだそうですよ。
そして、ここに書いてある「山寺」というのは山形県にある「立石寺」さんのこと。
こちらのお寺さんが有名な理由は笠の後ろをみると・・・
そうです!
あの松尾芭蕉さんの
「閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声」
の句がよまれたお寺さんになるんです。
「じいちゃんが山形旅行に行ったときのお土産で、嬉しそうに持って帰ってきてねー」と教えてくださいました。
お仏壇が美しくよみがえったことで、一緒によみがえるおじいちゃんの思い出。
きっとご先祖様も喜んでくださっていることでしょうね!
音羽屋では、お仏壇を美しくよみがえらせることで、「お客様の本に繋がる」お手伝いをさせてもらっております。
この度は、ご依頼を頂き誠にありがとうございました。 -
職人の日記 2021.03.06
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職人の日記 2021.02.28
この度、ご実家のお仏壇をご自宅へ移動するというご依頼を頂きました。
一見、何事もなさそうなお仏壇。
ご先祖様も皆さんのお住まいに移動できるので、喜んでくださるかな~
なんて、思っていたら・・・
正面には白い斑点が・・・
こ、これ・・・すべてカビです!!
薄板という部分を引っ張り出すと
全面にびっしりとカビルンルン
大戸の金箔部分にも~~
ということで、工房に持ち帰って修復作業をする事になりました。
全体を分解すると、やはり中にはもっとカビがびっしりと生えており、虫のフンも多く残っていました。
でも大丈夫です!
洗浄して、磨き落すことでこんなカビ汚れも
↓↓↓
ピカピカの艶が蘇りました!!
ここから全体を綺麗にして、無事にご自宅へお納めさせてもらいました。
お客様からは・・・
「おお!キレいになったね~私の顔がうつるようになった!これで、親父も喜んでくれとるじゃろ~」
はい!
ご先祖様も美しくなったお仏壇できっと喜んでくださっています!
この度は、ご依頼を頂き誠にありがとうございました。
音羽屋では、お仏壇という命の本に繋がる場所を美しくしていくことで、「御先祖様に喜んでいただく」お手伝いをしております。
どうぞ、お仏壇のことならお気軽にお問い合わせくださいませ!! -
ありがたいお話 2021.02.24
山口県周南市のお客様よりご紹介にてお仏壇の修復のご依頼を頂きました。ご依頼を頂き誠にありがとうございます。
昨日、お蔭様で無事に修復の仕上がったお仏壇をお納めさせてもらうことができました。
お掃除で大きく剥がれしまった金箔や長年のお参りでススけていたところ、内部のカビ汚れなどをキレイに修復したことで本来の輝きがよみがえりました!
「まぁー元よりも綺麗になったみたいなねー!お母さんも喜んじょってよ!」と大変ありがたいお言葉を頂戴しました。本当に嬉しい限りです。
また、その場で娘さんやお孫さんと一緒にご信心の深かったおばあさまのお話を沢山聞かせて頂き、「おばあさんまでよみがえってきて嬉しいねー」と和やかな雰囲気に包まれていました。
音羽屋では、お仏壇という大切なお参りの場所が美しくなることで「ご先祖様との繋がりを再確認」して頂くお手伝いを心がけております。本当に嬉しい光景をお手伝いさせてもらい、心より感謝致します!!
そういえば、おばあさまの思い出話の中で…
「仏壇の真ん中に置いとる小さな木はものすごい高いお香のもとらしいよ~」とお話しておられました。
その小さな木、こちらは「沈香」という香木になります。
「おばあさんが60万ぐらいで買うちゃったゆうちょっちゃたがねーーー」
確かにその通りの相場になります。
ご家族全員が「おおおおーーーーー」と感嘆。
ありがたやありがたや!!!
いろんな意味でおばあちゃまに感謝のひと時でした(笑) -
職人の日記 2021.02.18
これから御本尊の阿弥陀如来像を洗浄していきます。
金の輝きがなく茶褐色になっています。
これは、毎日のお参りのお線香やロウソクの煤(スス)が原因になります。沢山お参りをしてくださった証ですね。ようお参り頂き、ありがとうございます。ご信心の深い御先祖様であったという事が良く分かりますね。
通常の阿弥陀様と比較をしてみましょう。
どれだけ色が変化したかが良ーくわかりますね。
タオルの上に乗せて、スス汚れを洗浄剤で浮かせ、特殊な泡で包んでいきます。
泡で汚れと洗浄剤を包むことで、細工の隅々まで綺麗になります。
拭いてしまうと金が剥がれるので、次はアルコールで洗い流します。
泡の下から美しい黄金の輝きの阿弥陀様が現れました!
阿弥陀様の下には洗い流された汚れの跡が残っています。
【ビフォー】
【アフター】
キラキラと輝く阿弥陀様が蘇りました。極楽浄土は金の永遠の輝きが尊いとされた美しい世界。仏様も御先祖様もきっと喜んでくださっていることでしょうね。
お仏壇は御先祖様、仏様、命の本(もと)に繋がる大切な場所。
ご本尊様も美しい姿で、毎日のお参りを尊いものにして頂ければと思います。
この度は、ご依頼を頂き誠にありがとうございました。
作業の見学はいつでも出来ますので、お気軽にご連絡くださいませーー!