仏間から出せない?(福山市神辺町のお仏壇)
カテゴリー | 唐木仏壇 | 施工内容 | 唐木仏壇の洗浄・修復 |
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ご住所 | 広島県福山市 | お名前 | 安田様 |
担当者からのコメント
施工内容
代々のお仏壇を綺麗にしてあげたいというご家族での会議があったそうで
「古いお仏壇で真っ黒になっているんですが・・・
あと、家にねずみがいたので中にもいるかも・・・
それと、仏間から出せないかもしれないので・・・」
と、当店にご相談のご連絡がありました。
点検にお伺いをしてみると、表面の木目が見えなくなるほどに煤がついている状態でした。そして、中にはネズミがいた痕跡もありましたので、分解しての洗浄修復をお勧めさせてもらいました。早速にご依頼を頂き、後日お預かりにお伺いさせてもらいました。
し、しかし・・・
どうやっても、お仏間から出せないんです。
これまでも、何度か、とっても狭いお仏間に入っているお仏壇を出したことがあります。
今回も問題ないと思っていたのですが、今回はどうやっても間口が狭すぎて出せません。
「すいません。設置の時にどのようにして入れたかを覚えておられますか?」
「わからないんです。私がお嫁に来る前からあるからねぇ~」
「床柱を削らせてもらえれば、出せるのですが。」
「あ、いいですよ!」
「え、いいんですか?」
「後から大工さんが直すから、ええよええよ!」
ということで、試行錯誤の末、床柱を最小限だけ削って、出す事にしました。
「でましたーーー!あっーーー!」
!!!!
なんと、お仏間の側面の壁には、ぶち破った痕跡が!
そうなんです。
隣の床の間との壁をぶち破ってお仏壇を設置して、その後から床の間側の壁を修復したので破った跡が隠れてしまっていたんです。
「こ、これは全く分かりませんでした。申し訳ございません。柱を削ってしまって。」
「いいの!いいの!私たちも全く知らされてなかったから、いい思い出になったわ。」
と本当にお優しいお客様のお蔭でお預かりして、修復することが出来ました。
修復前のお仏壇
修復後のお仏壇
当店の工房で分解洗浄させて頂いたお仏壇は、洗浄後に見事に美しい木目が復活し、綺麗な艶もよみがえりました!
お納めをさせて頂くと、
「えええ!これ、うちの仏壇!?まぁ!!びっくりやが!!!」
とご家族みなさんで本当に驚いて、とっても喜んでくださいました。
その場で、嬉しいお言葉を沢山頂き、本当にありがとうございました!
その後には、嬉しい感想のお手紙もいただき、お客様そしてご先祖様に喜んで頂けた事に職人一同とても感動しています。心よりお礼申し上げます。
お手紙の最後には、
「柱のキズが、とてもいい思い出になり、そのまま残すことに決めました。(笑)」
と書かれていました。
音羽屋では、お仏壇を美しくよみがえらせるということを通して、御先祖様と繋がるきっかけ作りのお手伝いをしています。
今回のような思い出に残る作業、そして「傷跡」・・・
この「傷跡」を見るたびにお仏壇の修復を思い出して頂き、御先祖様の思い出ばなしに繋がると本当に嬉しいです!!
この度は、ご依頼を頂き本当にありがとうございました!