御文章の装丁お直し/広島 仏具 修理 音羽屋
カテゴリー | 御文章の装丁直し | 施工内容 | 御文章の装丁 |
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ご住所 | 広島市中区 | お名前 |
担当者からのコメント
施工内容
こんにちは。
広島でお仏壇の修理を専門にしている音羽屋の山縣です。
当店は、お仏壇という家の中の大切な場所を繋いでいくことで、その「家ならでは」の想いが伝わっていくことを使命にしています。
掃除・洗浄・修復・塗替え・移動・保管・御処分・配置・向きのことなど、お仏壇のことで皆様のお役に立てれば嬉しいです!!
ということで・・・
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本日、御文章の装丁のお直しが仕上がりました。上のお写真は仕上げ前の状態です。
御文章(ごぶんしょう)とは、浄土真宗の中興の祖、第八世「蓮如上人」が、浄土真宗の教えを分かりやすく伝えるために書き示してくださった80通のお手紙をまとめたものになります。派によっては、御文(おふみ)や御勧章(ごかんしょう)とも言います。
この度、お預かりした御文章は凡そ120年以上前のものになります。
裏側もシワが多く出ている状態です。
中には栞(しおり)が入っていました。
中を読むことなくそのまま置いてあれば、裏も表もここまで傷むこともないでしょう。
栞も挟まっていたので、御住職をはじめとして、ご家族の方もお読みになられていたことでしょう。
栞の裏側には「浄土真宗の生活信条」が記載してあります。
そこで、今回も中味の文章部分はそのままに外側の装丁を黒和紙でお直しをさせてもらいました。
御文章の中身といえば、「白骨の御文」が有名です。
「朝には紅顔ありて夕べには白骨となる・・・」
朝起きた時には「良い顔色」であっても、夕方には死んで「白骨」となっているかもしれない。それほどに命ははかないものであること。
亡くなってから嘆き悲しんでも意味が無いので、はやく命の大切さに気づいて阿弥陀如来様を頼って、念仏をお唱えしましょう。ということが書き記されています。
白骨の御文の部分は「世の無常」をうたうものとなっています。
新型コロナという予想もしない感染症で、今までとは全く違う生活になってしまいました。
本当に何が起こるかは誰にもわからないというのを少なからず実感しています…
〈お直し前〉
〈お直し後〉
この御文章もご先祖様が読んでおられたのであれば、120年近く前にご先祖様がふれた同じものにふれていることになります。
そして、栞に記載してあった「生活信条」は当たり前だけど、忘れがちな大切な事が書かれています。
・明るく
・感謝
・助けあい
お仏壇という場所で、仏様ご先祖様を前に、それぞれのご宗派の信条や大切にしている教えを確認する。
ご先祖様もきっとこちらの御文章をお読みになられて、教えや信条を確認しておられたことでしょう。
先に述べた、感染症で生活様式や世の中の流れが突然変わっても、昔から変わらないものがあると気付かさせてもらいました。
音羽屋ではお仏壇だけはなく、仏具や御文章もお直しをさせてもらい、少しでもご先祖様と同じような大切な気付きを得られることが出来る、そんなお手伝いをしていきたいと思います。
この度は、ご依頼を頂き誠にありがとうございました。