祖先の思いに感謝しつつ
- カテゴリー
- 掛軸の表装・書直し
- ご住所
- 広島県東広島市
- 施工内容
- 掛軸の表装お直し
お客様の声
此の度は傷みの激しい御絵像を見事に修復していただき、感謝の念で一杯でございます。これからも念佛一筋に祖先の思いに感謝しつつ精進して参ります。丁度、六月一日は義母の月忌になりますので西蓮寺様にお参りいただく所存でございます。申しおくれましたが数々の手ほどきと清品を頂き有難うございます。若い者にも教えて、末長く大切にする所存でございます。真に有難うございました。音羽屋様の益々の御繫栄と御健勝を念じ申し上げ、御礼の御挨拶とさせていただきます。
担当者からのコメント
この度は、音羽屋にご依頼を頂き、本当にありがとうございました。
お仏壇のご本尊様の掛軸を修復出来ないだろうかという事で、ホームページをご覧になられてお問い合わせくださいました。実物を点検にお伺いさせてもらうと、傷みが激しいため、強く触るとポロポロと剥がれていくような状態。ご当主、ご親族の皆さまとお話をさせてもらい、御絵像をそのままにお裏書きも可能な限り残して、表装を落ち着いた雰囲気でお直しするという形でご依頼くださいました。
仕上がった表装は、燻した金糸を使用することで、本金よりも輝きを抑えた雰囲気なっております。また、お裏書きは、割れている部分もございましたが、ほぼお預かりの状態そのままに残す事が出来ました。
この掛軸はいつ頃のモノかとご質問を頂戴し、お裏書きからの考察で凡そ140年以上前のものと思われます。つまり描かれている阿弥陀如来様もその当時の絵師の方がお書きになられたもの。印刷もある現在、一枚一枚を手書きで繊細に描かれているお姿やその当時の技術の素晴らしさが伝わってきます。お客さまとは、「何よりも代々のご先祖と同じご本尊様を拝めているという事が凄いことですね~」というお話になりました。
日本は家の繋がりを大切にしますが、繋がっているのは体や土地、名前やDNAだけではなく、お参りという背中で伝わる習慣もあるんですね。お仏壇の役割とこのお仕事をさせてもらっている役割を教わりました。この度は、本当にありがとうございました。
施工写真
お客様から頂いた、達筆のお手紙です。
「これからも念佛一筋に祖先の恩に感謝しつつ精進して参ります。」との一文。
音羽屋もこのようなお参りのご縁を繋いでいけるように益々精進していきます。
本当にありがとうございました。
古い表装とお直しした後の掛軸を並べてみました。
御裏書きはこちら・・・
「本願寺釋廣如」と記されています。
御絵像は、本願寺直属の仏師が描いて、これを本願寺が点検し、掛け軸の裏書きに銘記・押印されたものになります。釋廣如とは、本願寺第二十代門主の広如上人と思われます。江戸時代末期(1798 – 1871)になるので、御絵像は140年以上前のものと推察されます。
ご本尊の阿弥陀如来様を拡大した写真がコチラ・・・
細かく描かれていますね~
今回の表装は、牡丹の花の柄で燻した金糸を使用しております。
燻してある事で、通常の金糸よりも輝きがおさえてあります。
お写真では、伝わらないのが残念なところ・・・
以下に修復前後のお写真を掲載いたします。
修復(前)
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修復(後)
修復(前)
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修復(後)
修復(前)
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修復(後)